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TOKOY FMでは、去る2月8日(日)19:00〜19:55放送の「サンデースペシャル SRS Labs Presents Amazing Circle Surround」において、国内初の試みとなるSRS Circle Surround-II(以下SRS CS II)を利用した5.1chサラウンド放送を実施しました。
昔のFM放送は、音が良い!Hi-Fiである!という事を売りにしておりましたが、最近ではどのメディアも音がいいのは当たり前となってしまい、FM局にとっては、他メディアとの差別化が難しい時代となっております。5.1chサラウンド放送実施を機に、もう一度「音をリードするFM」というものに挑戦したいと考えました。今回、弊社が5.1chサラウンド放送を実施した背景には、こうした弊社技術局の思いがありました。
テスト放送実施風景
手前:筆者、 奥:SRS日本事務所 加藤代表
SRS CS II エンコード技術を採用したサラウンド放送の実施にあたり、どこまでの事ができるのか、放送する上でハードルになる部分はないか、等のチェックをするため、昨年10月の日曜深夜放送休止帯にて実験放送を行いました。
FM放送局のマスター出力音声には、リミッター/コンプレッサー、ステレオエンハンサーなどさまざまな効果機器が挿入されておりますが、マトリクス方式であるSRS CS IIでの放送にどのように影響を与えるか、また、最適なセッティングはどのようなものかをテストしました。ステレオエンハンサーをかけると音源の5.1chを再現できないことが判りましたが、リミッター/コンプレッサー、イコライザーなどについては、特に影響なく元の素材を再現できることが分かりました。また、弊社では、局外やネット局との音声伝送に音声CODECを使用しており、この音声CODECを経由した場合の影響についても調査しましたが、圧縮率の高い圧縮方式の場合、やや再現性に問題があるものの、概ね問題ないことを確認できました。
また、2chステレオ聴取との互換性についても、完全互換とまではいきませんが、通常の放送でステレオエンハンサーを使用した音と比較すると運用上問題ないと判断しました。
番組の内容ですが、主人公がさまざまな場所(雑踏、ハワイの海岸、ロンドン、ライブハウス)に行き、5.1chサラウンドサウンドで臨場感溢れる音風景を放送する内容でした。
番組制作にあたっては、YAMAHA殿からは5.1ch対応コンソール DM-2000、オタリテック殿からはサラウンドスピーカーGENELECをご提供いただきました。
番組制作においては、YAMAHA DM2000でミキシングした5.1ch音声をSRS CS IIエンコーダー後の2ch音声(2chリスナー用PGM)およびこの2ch音声をSRS CS IIデコーダーにて再び5.1chになったもの(5.1chリスナー用PGM)をモニター切替しながら作業を行いました。
YAMAHA DM2000とGENELEC
特に音楽ミックスにおけるリバーブ成分の扱いについては、2chと5.1chでは全く効果が変わります。また、リアスピーカー成分のバランスによっては、2chで聴いたときに完全なL/R逆相になってしまう場合もあります。モノラル聴取リスナーを考慮すると、このような完全逆相だけは避けなければならず、注意を要しました。
番組制作風景
5.1ch制作において初心者の私にとっては、ついつい背景音を上げてしまいたいところなのですが、これをやりすぎるとナレーションが聴こえない、ということが発生してしまうので、これも要注意でした。2chの世界でのナレーションとBGM、背景音のバランスの感覚と5.1chのそれとは随分違うもので、長年2chの世界でミキシングを行ってきた私にとってはカルチャーショックでした。
5.1ch間で音が移動するシーンについては、SRS CS IIで完全に再現できないものもあります。SRS CS IIは、どのようなパターンが得意で、どのようなパターンが苦手かについては、ある程度やってみて経験則で学ぶしかないと感じました。
逆にSRS CS IIはマトリクス方式ゆえにCH間の音声のつながりが非常になめらかであるため、これをうまく使用すれば、ディスクリート方式にない5.1chサラウンドの良さが表現できると思います。
番組実施計画段階においては、弊社社内でも5.1chサラウンドサウンドについて、冷ややかな意見もありましたが、実際の番組を、5.1chと2chを比べて聴かせると、多くの人が5.1chの可能性を認めてくれました。私も最初はそうでしたが、サラウンドは体感しないとその良さが分からないものだと思います。今回の番組を機に、弊社ではサラウンドコンテンツを順次増やしていこうと考えており、リスナーに5.1chを体感していただく機会を増やし、サラウンドをもっと当たり前のものにしていきたいです。引いてはこれにより、SRS CS II対応製品が普及し、FMでサラウンドは当たり前、という時代になるよう推進していきたいと考えております。
TOKYO FM技術局技術部長 川島 修
(C) SRS Labs, Inc., All Rights reserved.
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